安寿の小径

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百歳の詩人

最近テレビ番組で、偶然、百歳の詩人 まど・みちお さんの事を知った。


皆さんご存知の『ぞうさんの歌』の作詞をした詩人だ。


かわいいとばかりしか思っていなかった、あの歌詩の意味をご本人が語るのを聞いて、びっくり仰天。
あの歌詞にそんなに深い詩人の目があったとは!!


ぞうさん、お鼻が長いのね、と言われたら、普通はほめられたとは思わずに、怒っちゃうでしょう。鼻があんなに長いのは世界中でぞうさんだけなのだから。
でもその子供のぞうはちっともそんなこと思わずに、大好きなお母さんに似ているのが、すごく嬉しくてたまらないと言ってるんですよ。」


まあ、ざっとこんな内容の事を、詩人は語ったのだ。


そうか、そういう意味だったんだ。何も考えずに歌っていたけれど…。


詩人の目はすごい!!
私たちが見過ごしてしまう、ちょっとしたものの後ろにある真理を見事に捉え、光の言葉に変える。


鼻が低いだの、足が短いだの、自分の容姿の欠点を見つけては、親のせいにして、恨めしく思っていた自分が恥ずかしい!!


デブだろうが鼻が低かろうが、短気だろうが、おっちょこちょいだろうが、親やご先祖様から頂いた遺伝子を受け継いで生きる、世界にたった一人の私じゃないか。


ついでにスピリチュアルな観点で言わせてもらえば、そんな遺伝子を選んだのは自分だし、生まれる前、今生はこれで行きますと、勇んで神様に宣言し、嬉々として生まれてきたんじゃないか。


小さなぞうさんのように、子供の頃の私は、ちっとも自分を不満になんか思っていなかった。
あの天使のように無邪気で幸せだった私は、どこに行っちゃったの?


世間一般の間尺に合わない自分の容姿や性格を不満に思うのは、なによりも不幸なことじゃないか。私をこの世に送り出してくださった神様にも申し訳ない。


いいんだよこれで。お母ちゃんやお父ちゃん、じいちゃんばあちゃんに、似てるんだもん。
両親そろって、デブで短足だったもん。短気でおっちょこちょいだったもん、
と、調子づいて元気になった。


しかし、それにしても、百歳の詩人はすごい。車いすを押してもらいながら庭を散歩し、あかず周囲の自然に見入っては、新発見をし、詩にしたり絵を描いたりしている。


まどさん、できるだけ長生きなさって、私たちを励まし、感動させてくださいね。
さらなる発見に期待してます。


最後に、感動で、思わず泣いてしまった詩をご紹介しよう。


『臨終』


神様
私という耳かきに
海を
一度だけ掬わせてくださいまして
ありがとうございました

きれいでした
この一滴の夕焼けを
だいじにだいじに
お届けにまいります


まど・みちお 詩集『うちゅうの目』より


まどさんが耳かきなら、私は爪楊枝?
それでも精一杯、夕焼けの海の水を掬って、大事に大事にお届けにまいりたいと存じます。


          北千住のスピリチュアルな占い師  安 寿