安寿の小径

北千住のスピリチュアルな占い師 安寿のブログ http://anju.cho88.com/

自信がない人、癒されたい人にお勧めの本!

本好きの友人のお勧めで、『お探し物は図書室まで』(青山美智子著 ポプラ社)という本を読みました。

 

2021年本屋大賞第2位の本で、何度か新聞広告を目にして気になっていた本です。

 

この物語の主人公は5人で、それぞれを主人公とした短編小説風になっていますが、それぞれの話が、主に同じコミュニティハウスの図書室で繋がっています。

 

5人がそれぞれの問題を抱え、周りの人たちに刺激を受けながら、コミュニティハウスにある図書室に行き、そこでレファレンスコーナーの担当者、小町さんに出会います。

 

小町さんにお勧めの本を紹介されるところからそれぞれの人生が動き出す、というか、それぞれの物の見方や感じ方が変わったり、新たな視点で物を見たりしていくことで、みんなが新しい自分を発見していくという、大人のファンタジーのような、温かくほっこりとした読後感の本です。感動して涙するところも有りますよ。

 

主人公たちをご紹介しますと

第一章の主人公は、短大を卒業して就職したばかりの21歳の婦人服販売員の女性。難しいお客様の対応で悩み、転職を含め、自分の将来について考え始めます。

 

第二章の主人公は35歳のサラリーマン。幼いころからの夢がありますが、今の自分がその夢を実現できるか自信がありません。

 

第三章の主人公は、それなりの実績を残したと自負していたのに、出産を機に編集の仕事から外され、家庭では家事に非協力的な夫にイラついている元女性編集者。

 

第四章の主人公は、イラストが好きでデザイン専門学校を卒業したのに、就職に躓き、それ以降バイトもうまくいかず、ニートになっている30歳の男性。

 

第五章は、真面目だけが取り柄で、何の趣味もなく、65歳で定年を迎えた会社員ですが、これからの人生をどう過ごすか戸惑っています。

 

この5人の主人公たちのお悩みは、誰もが経験したことがある、或いはただいま経験中、または将来、経験するはずのいわば普遍的なお悩みです。

そのお悩みに説教するのではなく、本を通して思いもかけないところから自らが気付くように手助けするのが小町さんです。

 

「この話はうまくいきすぎて、現実はこうはいかないよ」とおっしゃる方がいらっしゃるだろうことはわかりますが、スピリチュアル的に見て、このお話は単なるファンタジーではなく、真理を含んでいると思います。

 

本当に、自分の考え方や物の見方が変わっただけで、今まで黒く見えていたものが白く見えたり、見えなかったものが見えるようになったり、価値があるものが無価値になったり、その逆だったり、それに伴って行動が変わることで、自分の必要とする人に出会っていくものだからです。

 

まさに『天は自ら助ける者を助ける』のですから、現状に満足できないなら、何かを変えなければ、ですよね。

ですが、無理して大きく変わる必要はないのです。

「それぞれが、それぞれの力量で少しづつ前進していけばいい。」

世の中は、それぞれが、それぞれの生きる場所で、それぞれができること通してお互い支え合っているのだから、あなたもまずできることから始めなさい。」と作者が優しく語り掛けてくれているようで、そこに癒されるのです。

 

社会保障費を減らしたい政治家どもが、行政の不備を糊塗するために『自己責任!自己責任!』と声高に叫んで若者を始め国民を追い立てていますから、自信を無くし、自殺者も増えています。

だからこんなに優しく自信を取り戻させてくれるご本が嬉しいのですね。

 

自信を失った方、今まさに悩んでいる方はもちろん、心の疲れている方もぜひこの本を読んで癒されてください。

 

 

 

    北千住のスピリチュアルな占い師   安 寿