安寿の小径

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「医療否定本」への反論の本

『「医療否定本」に殺されないための48の真実』 (長尾和宏著 扶桑社)という本が出たので、さっそく読んでみました。
(*『』部分はその本からの引用です)


近藤先生のご著書に真っ向から対立する内容なのかと思いきや、そういう部分は少なくて、むしろ近藤先生が否定している理由をもっと分かりやすく、具体的に丁寧に解説してくださっていて、否定する理由も肯定する理由もよく分かり、私たち素人が医療を受ける際に、何に注意して医療を選択すべきかの判断を助けてくれる本だという印象を受けました。


長尾先生もやはり『終末期になったら延命治療を拒否し、自然で穏やかな最期を迎えたい』『そう願っている方が多いにもかかわらず、実際は、なかなか平穏死できないのが今の日本の医療の現実です。』とおっしゃっています。


なぜなら『病院は基本的には病気を治すところであり、「生きている質(いわゆる生の尊厳)」よりも「長く生かす」ことが優先され』るからだそうです。


病院で医者から末期と判断され、『これ以上治療できません』と言われ、病院にいられなくなった場合、長尾先生は『町医者として多くの患者さんを見てきた経験から、在宅希望者には自信を持って在宅療養を勧めています。』とおっしゃっています。


『病院から家に戻っただけで、痛みが軽減したり、口から食べられるようになったり、うつがよくなった人たちをたくさん見てきたからです』とのこと。


確かにそうだろうとは思いますが、でもね、家族に負担がかかるし、一人暮らしじゃねえと思ったら、
『おひとりさまも、老老、認認』も大丈夫というのですからびっくりです。


『私は、700人以上を自宅で看取ってきた経験から、在宅療養は決して理想論ではなく、「家で過ごす」と決意し準備を整えれば、たとえ独居でも、十分可能だと思います。』と、力強くおっしゃって、『信頼できる主治医とケアマネージャーを探す』など、その具体的な方法をご紹介下さっています。


先生は『これまでに、天涯孤独の末期がんのかたを、何人も最後まで自宅で診てきました。私の経験上、在宅を強く望んでいらっしゃる独居の方が、最もスムーズに在宅で過ごせると思います』とおっしゃっています。


なぜなら『在宅療養を続けられなくなる原因として一番多いのが、実は家族の意向』だそうで、『本人が「家にいたい」と望んでも、家族が施設や病院に入れたがることは非常によくあります』からだそうです。


認知症同士の場合も『不思議なもので、認知機能にかなりの障害があっても、同居人の介護ができる場合が良くあります』とのことです。


老老介護にしても、認認介護(*認知症同士の介護 安寿注)にしても十分に在宅療養が可能です』とおっしゃっています。


老老介護、認認介護が可能かどうかは、それまでのお二人の関係性とか、認知症の程度とかにもよるのかもしれませんが、実際にそういう方々がいたのだという事には驚きました。


私には子供がいますが、子供たちの世話になるのは気の毒で、やはり終末は病院だと考えていたのですが、在宅でも大丈夫なような気がしてきました。
在宅なら、費用も少なくて済むでしょうしね。


どんなぼろ家でも、思いっきり手足を伸ばせる我が家が一番なのは言うまでもありません。
末期がんの方の平均在宅療養日数は、一か月半だそうですから、そのくらいはお世話になってもいいかなあ。
がんの場合は、結構最後まで自分で歩けるようですし。


幸い私は、あまり大した病気もせず、今迄「かかりつけ」と言えるような病院もなかったので、今から「在宅療養支援診療所」というのを探して、主治医を見付けておこうと思います。


私の住む東京の下町はお年寄りが多く、たくさん介護施設もあります。
母がお世話になったところもありますし、心強い限りです。


今迄三冊の終末医療に関する本を読んできたおかげで、自分の終末の準備目標が決まり、具体性が出てきました。


長尾先生も認知症よりはガンで亡くなる方がいいとお考えだったそうですが、『認知症になってからガンになって死ぬのがいい』とお考えが変わったそうです。
認知症になるとなぜだか痛みを感じなくなるんですって。
あまり病気の心配もしないでしょうしね。
認知症も悪くないかもしれません。


今迄三冊、医療に関する本を読んで一番強く感じたことは、《医者まかせはダメだ》という事。
病気になったら、自分でもいろいろ調べて、遠慮せず自分の考えや疑問をきちんとお医者さんと話し合い、治療方法を選ぶこと。


くれぐれも
『亡くなるその日の朝まで抗がん剤をうちに病院へ通っていた患者さん』がいて、『ご家族に話を聞くと「病院の先生が『やめましょう』といわなかったので」。病院の先生に聞くと「患者さんがいらっしゃったので」と。』
ってなことにならないようにしましょう。


自分の人生の主人公は自分なのですから、何事も自己責任ですね。


        北千住のスピリチュアルな占い師   安 寿