安寿の小径

北千住のスピリチュアルな占い師 安寿のブログ http://anju.cho88.com/

危ない摺り込み

先日、都内のショッピングセンターを歩いていたら、小さな服がずらりと並んでいる店の前を通りかかった。子供服にしては変だとは思ったが、赤ちゃんを乗せる乳母車というか、ベビーカーのようなものも店先に並んでいるし、赤ちゃんの専門店なのかと不思議に思った。


ところがそこは、犬の服屋だった。よく見たら、犬の首輪やリードというのか犬を引っ張る鎖や紐があった。


そういえば、犬を乳母車に乗せている人を見たことがあったっけ。
最近は、犬も長生きをして人間と同じように成人病にかかったり、太り過ぎで歩けなくなってしまうから、あんな乳母車が必要なのかと思ったら、それだけでもないらしい。

人込みや猫に襲われそうな危険な場所などを歩くときにも使うのだそうだ。

10年くらい前は、服を着ている犬を見ると、飼い主の押し付けが煩わしいのじゃないかとかわいそうに思ったものだが、実は犬も服を嫌がらないのだそうだ。


さすがに大型犬で服を着たり、乳母車に乗ったりしているのはあまり見かけないが、時間の問題かも。


なにしろ最近では猫にも服を着せたり、ウサギの耳のついた帽子をかぶせているのだ。
勝手気ままの権化みたいな猫が、よくおとなしく帽子をかぶったり服を着たりしているも
のだと感心してしまう。


初めのころは動物に服を着せるなんてと、そんな流行を、私はあきれるというか、批判的に見ていたのだが、慣れとは恐ろしいもので、最近は何も感じなくなった。

それどころか、最近、自分で自分にびっくりしたのだ。
何も着ていない小型犬を見た時、ほんの一瞬だが、飼い主の愛情が足りないのではないかなどと、この私、考えてしまったのだ。


慣れとは実に恐ろしいものだと思う。
気付かぬうちに、いつの間にか180度、違う考えが摺り込まれてしまっていたのだ。


自分で犬や猫を飼ったらこの私、案外服を着せたくなってしまうのかもしれない。
危ない、危ない。

世の中の大きな流れに、無自覚にただ流されていると、いつの間にか流れの色に染まってしまう。そうなったら、自分の頭で考えているようでも、何も見えなくなってしまうのだ。


うん、世の中の流れって、やっぱり恐ろしい。
原発が無ければ、日本は国際競争に勝てない』と、声高に叫んでいるオジサンたちに摺り込まれないようにしなきゃ。


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