安寿の小径

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ボランティア初体験

山谷地区の路上生活者、日雇い労働者の方々の生活や自立を支援する活動を、26年間にわたって続けている『山友会』というNPOの活動に、今日初めて私も参加させていただいた。


『山友会』はボランティアの医療スタッフによる無料の診療活動、生活上の問題に対する相談や援助活動、食事の提供など、幅広い活動を展開している。


今日、水曜日は、『山友会』まで来られない路上生活者に簡単な食事を持って、こちらから出かけ、積極的にそれらの人たちと関わり、信頼関係を築き、生活上の様々な相談に応じたりする、アウトリーチという活動の日だった。


お医者さんのたまごの方を含め、老若男女合わせて20名ちかくのボランティアが集まり、打ち合わせの後、三つのグループに分かれて、浅草近くの隅田川に向かった。


隅田川水上バス乗り場の近くで車を降りると、スカイツリーが目の前に大きく現れた。
私がノーテンキに喜んでいると、ボランティアのお一人が、スカイツリーのおかげで、浅草近辺の路上生活者がずいぶん他の場所に追いやられたのだと話してくれた。
そういえば、以前浅草に来た時、電車から見た隅田川沿いには、もっとブルーテントがずらりと並んでいた気がする。
ちょっと複雑な気持ちになった。


川の方に下りてゆくと、そこには整理券を手にした人たちがすでに長い列を作って私たちを待っていた。


ボランティアを志願した時、面接してくださった方が、「雨が降ろうが槍が降ろうが、食料もって私たちは行きますから。」とおっしゃっていたが、20年以上ものそうした地道な活動が信頼されて、こんなに大勢の人を集めるのだなあと、改めて続けることの責任の重さを感じ、気持ちが引き締まった。


食料のほか、マフラーや帽子も準備してきて、必要な人に配るのだ。
私はパンを配る係りになって、並んでいる人たちに、次々とパンの袋を手渡していった。


手渡すのに忙しくて、一人ひとりよく見たわけではないのだが、本当にさまざまな方たちがいる。
最近まで普通の生活をされていたのではないかと思うくらい、きちんとした身なりの方もいるし、路上生活の厳しさを何年も続けていらして、疲れ切ってしまったような方、杖をついてやっと歩いてくる方、中に数人、なんでこんなに若い人がと思うような若者もいたり。
くわえ煙草で何も言わない人もいれば、「ありがとう」と本当に大事そうに袋を抱えていく人もいる。もらい方は様々でも、みんな生きるために、一袋のパンを求めているのだ。


明るい笑顔で「こんにちは」と言いながら手渡していくのだが、途中、涙が出そうになって困った。


私と同じように、みんなこの事実を知らないから、平気で食べ物を残し、捨てられるのだ。

日本中のみんなが、少しずつ持っているお金や食べ物や衣類を出し合えば、日本中から路上生活者はいなくなるんじゃなかろうか。
そんなことを夢想した。

ボランティア初参加ということで、私は配ったパンと同じものをいただいて帰ってきた。
そのパンをかじりながら、もっと私にできることはないのか、ずっと考え続けている。


寄付やカンパは下記までお問い合わせください。
特定非営利活動法人『山友会』 03-3874-1269
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