新年早々、すごく不思議な体験をしてしまった。
それは1月5日のこと。自宅の鑑定所で、運命学の個人レッスンをしていた午後3時半ごろ、突然ガチャンと鍵の閉まる音がした。勉強中の生徒さんも私もビックリするほど大きな音で、とても我がボロアパートの玄関ドアの鍵とは思えない音だった。
すぐに玄関ドアのほうを見たが、ドアは生徒さんが来た2時からずっと閉まっており、半ドアだった可能性もない。軽いドアだから、半ドアだったら、開いてしまうか、閉まってしまうか、どちらかになる。とても1時間半も中途半端な状態になってはいないだろうし、仮に半ドアで閉まるとしても、その音は「バタン」か「カチッ」くらいなものである。「ガチャリ」とはならない。
変だとは思ったが、時々ラップ音がすることはあるので、それはそれで終わった。
夜7時ごろ、姉から外出先に電話があり、マンションの庭に、見知らぬ女の子が現れたという。小学校4年生ぐらいのかわいい子で、ポニーテールにして、襟に毛皮の付いた上着を着ていたという。
姉の家はマンション1階の角部屋で、外部とは高い塀で仕切られていて、外からは管理人さんしか入れないという。隣との境も然り。
その時ちょうど姉は電話中で、すぐに電話を切って見に行けばよかったのだけど、変な男の人じゃないし、子供だからと思い話を続けていたら、ガチャリという鍵のかかる音がしたのだという。電話を切って見に行くと、庭には誰もいなかったそうだ。
管理人さんに話すと、「そんな馬鹿な事はない。管理人以外は絶対に誰も入れない。鍵も、小学生の女の子が開けられるような軽いものではない」とボケたんじゃないかみたいな目で見られたのだと怒って私に電話してきたのだ。
後で考えてみると、庭に面した大きな窓にはレースのカーテンがかかっていたのに、なぜか、ガラス戸越しに直接見ているようにはっきりと見えたのだという。
姉を慰めていったん電話を切った。
その後鑑定所の鍵を開けていると、また携帯に電話がかかった。
私は右手に持っていた鍵の束と小松菜が一束入ったスーパーの袋を、左手の薬指と小指の2本にまとめて引っ掛け、開いた右手でポケットから携帯を取り出し、鑑定所の中に入り、竹で出来た長いすの真ん中にある背もたれの所にスーパーの袋を置こうとして、鍵を落としてしまった。
その長いすの背もたれは、ところどころ大きく隙間が開いていて、袋の陰で見えなかったが、その隙間から落ちて、左右の足を繋ぐ太い竹の筒に当たって、音がして、次いで床に落ちる音がした。
ああ、鍵が落ちたなとは思ったが、後で拾えばいいと思い、私はすごくトイレに行きたかったので、姉にそのことを告げ、電話を切り、あわててトイレに行き出てきて鍵を拾おうとしたら、落ちたはずの場所に無いのだ。
いすの上に置いたスーパーの袋の中かと思って、中のものを取り出してみたが入ってない。
弾んだり、転がったりするものじゃないし、おかしいと思って探し回ったが、無い。
不思議大嫌いの息子まで、意地になって20分くらい、長いすのクッションのカバーの中まで探してくれたが無かった。
息子たちからは、そんなことあるわけない、思い違いだといわれ、非常に悔しかった。
たった六畳と三畳の狭い空間。鍵を落として、用を足して戻るまで、わずか2、3分の出来事だ。
落ちる所は見なかったが、鍵が物に当たって、落ちる音までしっかり聞いている。
錯覚とか思い違いなんてありえない。
霊に詳しい友人にすぐ電話すると、イタズラされたのだから、返してくれるように、きつく言いなさいと言われたので、言われたとおりに「霊」さんに返してくれるようお願いした。
でも、出てくるのも妙なもんだ。あんなに探しても無かったものが、いったいどんな風にして出てくるのだろうと、半ば諦め、半ば楽しみにしていた。
そしたら今日、出てきましたよ。
鍵を落としたのは六畳の部屋。出てきたのは玄関から入ってすぐの3畳の部屋。
落としたところから直線距離にして約2メートル離れた所。ホワイトボードの下のスーパーの袋の中。その袋は友人にあげようと、お菓子を入れておいたもの。
入り口のドアから向かって右側奥に4、5日前から置いておいたのだ。
あまりにも長いすから離れていたので、そのあたりは、私も息子も探さなかった。
長いすのある所は、3畳間に一歩入ってすぐ左に行くし、左手に鍵を持っていたのだから、右の端っこに有った袋の中に、落とすはずが無いのだ。スーパーの普通の大きさのやわらかい袋だから、真上から落としでもしなければ入らないだろう。
ああ、でも信じない人は、何を見ても、何を言っても信じてくれない。
なんでも超常現象にするのは考え物だが、でもこういう不思議って、やっぱりあるんだよね。
すごく勉強になりました。
北千住の占い師 安 寿