マザー・テレサ展へ行って来てから、台東区にある『きぼうのいえ』の事が気になり始めた。
『きぼうのいえ』のある場所は、少し前まで山谷とよばれ、『明日のジョー』という漫画でおなじみの『泪橋』の近くで、路上生活者や日雇労働者が集まる場所だった。
私の家からは、隅田川に架かる千住大橋を越えた隣の街という近さなのだが、仕事にあぶれた男たちが、昼間から酒を飲んでたむろしてたり、女一人で歩くのはちょっと怖い場所というイメージがあって、通ったことはあったが、わざわざ訪ねて行くようなことはなかった。
そこに2002年、山本さんご夫妻によって、路上生活者や生活保護を受ける老人たちのためのホスピス「きぼうのいえ」が建てられたのだ。
電車だったらひと駅、南千住で降りればいいのだが、天気も良かったし、私は自転車で行くことにした。
街全体は以前よりずっときれいになっていたが、案の定、今も路上のあちこちに、路上生活者みたいな人や、男たち(ほとんどが中年以上)がたむろしている。
悪い人たちではないのだろうけど、慣れないのでちょっと怖い。でも勇気を出して「きぼうのいえ」の場所を聞いてみた。
するとあっちからもこっちからも人が集まってきて、みんな親切にわざわざ私を建物のまん前まで案内してくれた。
「どっから来たの?」
「ねえさん、手伝いに来たの?」
「おれも最後はお世話になるつもり」とかいろいろ話しかけてくれる。
「ねえさん」なんて呼ばれて気を良くした私も、下町っ子の本領発揮で調子よく皆さんとおしゃべりしながら到着。
みんな人懐っこい、気のいい人たちで、わたしは怖がった自分が恥ずかしくなった。
施設の中はツーンと薬品のにおいがして、30代前後の若いスタッフさんがきびきびと働いていた。
ホントはそこで少しでもボランティア活動がしたかったのだけれども、とてもじゃないが、60過ぎのおばあちゃんの出番はなさそうだったので、寄付金だけお渡しして帰ってきた。
人はそれぞれお役目がある。私は寄付金集めで貢献すればいいのだと帰る道々考えた。
今日、素敵なお礼状が届いた。その中に引用されているアントニー・デ・メロ「心の歌」をここに引用させていただく。
神は実り豊かな人生を
愛されるように
何の実も
結ばれなかった(かのように見える)人生をも
お愛しになる
()内は、「本会加筆」となっています
どんな人生を送ろうと、神の目から見たらドングリの背比べ。どんな人生も魂の一つの経験なのだ。
お気持ちのある方は『特定非営利法人きぼうのいえ』にご寄付をお願いいたします。
北千住のスピリチュアルな占い師 安 寿