安寿の小径

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苦しみを荷う人々

『山友会』のボランティア活動も3回目になり、少し慣れてきて、パンをもらうために並んでいる方々を見る余裕も出てきた。


70歳くらいの、路上生活者には見えない方々、ご婦人もいらっしゃる。
スタッフに伺ってみると、そういう方たちは、年金が少なくて、2カ月に一度出る年金が底をついてしまうと列に並ぶようになるのだという。


他人ごとではない。私だって、年金だけでは全く生活できない。今は元気で仕事ができるけれど、長期間病気して蓄えが尽きたら、年金の足りない分は、生活保護に頼らざるを得なくなるだろう。


ゼネコンに40年以上勤めた女性、年金額が月額で15万円位だと嘆いていた。
そこから、所得税国民健康保険料、介護保険料などが差し引かれるのだから、食べていくだけでも厳しい。
よほど蓄えがなければ有料老人ホームにも入れない。


ゼネコンでも管理職に就けない女性はこの程度なのだから、中小零細企業に勤める女性はもっと厳しいだろう。男性だって厳しいに違いない。
夫婦共働きでやっとというケースも多いだろう


それなのに議員の年金だけは良過ぎる。もっと国民との格差をなくすべきだ。


よく巷では、ホームレスになるのは努力しないからだと言う人がいるけれど、実はそういう人は少ない。
知的障害者だったり、発達障害者だったり、あるいは、その成育歴のなかで、人格が歪められ、気が弱すぎるとか、頑固すぎるとか、社会に対して、なんらかの不適応な部分を持っている方たち、しかも守ってくれるはずの家族との絆が何らかの理由で断たれてしまった方たちも少なくない。


また、まじめに働いていたが、会社が倒産し、長期間再就職ができなかった方、病気や事故で働けなくなり、やむなくホームレスになってしまった方も多いと聞く。


何とか立ち上がろうとみんな努力している。しかし、一度つまずいた者、スピードについていけなくなった者は容赦なく蹴落とすこの世の中のシステムに、孤独な弱者は落とし込まれてしまう。
つまり、いわゆるセイフティー・ネットが無いか、あってもネットの目が粗すぎて、ボロボロ零れ落ちてしまうのだ。


パンを手渡す時、私を拝む方がいらっしゃる。
私は恐縮して心の中で思う。
『いえいえ、あなたこそ、世の中の苦しみを背負ってくださっているのですよ』


マザー・テレサは、打ち捨てられた人々は、みんな姿を変えたイエス・キリストですとおっしゃっていたが、その言葉の意味がすごくよく分かるようになってきた。



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