安寿の小径

北千住のスピリチュアルな占い師 安寿のブログ http://anju.cho88.com/

凶神の月

七赤金星の皆様、4月はいかがお過ごしでしたでしょうか。
なにしろ、凶神が二つもついていましたから、何かあっても不思議ではありません。
もちろん、いくつ凶神が付こうと、何もない方もたくさんいらっしゃいます。


凶神には二通りありまして、それぞれ作用の仕方が違います。
一つは、判断力や決断力、自己抑制力が低下してしまう凶神作用です。


その凶神の時は、言い過ぎたり言い足りなかったり、言ってはいけないことを言ってしまったり、やり過ぎたり、するべきことをしなかったり、してはいけないことをして失敗したり、タイミングを外したり等など、つまり自分から失敗や禍を招いてしまいます。


もう一つは、交通事故に遭うように、気を付けていても、いきなり禍に遭うという凶神の作用です。


自分が原因の時は、注意深く、慎重に行動していればある程度防げますが、事故的にいきなり降りかっかてくる禍は防ぎようが有りません。
4月の七赤金星の人には、この両方の凶神作用が働いていました。


私も七赤ですが、この4月、何十年ぶりかで盗みに遭いました。
といっても、大した被害ではなかったのですが…。


鑑定所の前に、大きな流木が一対、横長と縦長のものが一つずつ、言ってみれば陰陽という感じで置いてあったのですが、その内の陰の方が盗まれたのです。


その流木は、近所のお風呂屋さん、と言っても、数年前に火事で焼けてしまって、今はないのですが、そのお風呂屋さんが薪としてかまどにくべるところを、薪にするのはいかにももったいないと、置く場所もろくにないのに、頂いてきたものだったのです。


頂いた時は腐食を防ぐためか、ニスのようなものが塗ってあって、安っぽい置物のようにテカテカしていたのですが、風雨にさらされ、その塗料も剥げて、とても渋い、枯れたいい感じになっていました。


夜の内に盗まれたのだと思いますが、一つの重さが3,4キロはあるので、車か何かで持って行ったのでしょう。
朝、花に水をやろうとしたら、流木の置いてあった部分が、ポッコリと穴が開いたようになっていてびっくりしました。


不思議と腹は立ちませんでした。
狭いコンクリートの玄関先に大きな流木はもったいない、不釣合いだといつも感じていましたから。
もともとは、どこか大きな家の中に置かれていた置物だったのだと思います。


命は助けたけれど、こんな場所で風雨にさらして、流木たちには何か申し訳ないなあと心の片隅でいつも思っていました。
今に家を建て替えたら、小さな庭を造ってそこに飾れたらいいなあと、建て替える当てもないのに、夢のように考えているだけで、現実は、手入れの悪い植木鉢と一緒に、玄関先に並べてあっただけでした。


だから、盗まれたとしても、どなたかが大事にしてくださればそれでもいいと思いました。
素敵なお庭に置いて愛でて下さるなら、対で差し上げてもよかったのになどと思ったくらいです。


或いはお金に困った方が盗んで、売り飛ばして食事ができるなら、それでもいいとも思いました。


風呂屋さんも、邪魔なものをくれるみたいに無料でくださったし、高価なものだとは思っていなかったので、誰がこんなものを盗んだのだろうと、不思議な気がしたくらいです。


ものを盗まれた事で、神様は私に何を教えて下さったのでしょうか。


縁あって私のもとに来た流木を、私が本当に大切に思っていなかったから、神様は私から取り上げたんだと気付きました。


流木に申し訳なかったのは、コンクリートの狭い場所に置いたことではなくて、心をこめて大切に扱って来なかったことだったんです。
流木の良さを活かしてやろうとはせずに、植木鉢と一緒に玄関先にただ並べていただけだったんですから。


流木を愛する人なら、流木の曲がった枝やくぼみを利用して、すてきに花を飾ったり、緑をのぞかせたりするに違いありません。
私は盆栽の様な、そういう芸術作品を見るのは大好きですが、自分でやるのは億劫なのです。
おいしいものは食べたいけれど、自分で作るのは面倒な、ものぐさで消費型の人間です。
そこを戒められた気がします。


素敵な家具が欲しいと思ったら、デパートをうろついて物色するのではなく、今あるものの中で工夫して、自分好みに変えていくような努力が自分には足りなかった気がしています。


私に欠けていたのは、与えられた物事の一つ一つを大切に思い、心を込めて関わっていくことだったのだと気付きました。


60年以上生きてきたのですから、自分のその傾向にうすうす気づいてはいたものの、その部分をしかたのないものとして、本気で改めようとは思って来なかったのです。
しかし今回の事で、少しでもその点を改善していかなければ、怠惰な自分を来世に持ち越してしまうぞと、危機感を覚えました。
もうあまりこの世での時間が有りませんから、気付いたことは、少しでも修正しようと思っています。


とりあえず、小さな緑の植木鉢を買って来て、残った流木のくぼみにおいてみました。
涼しげで、とっても素敵。
時間ができたら、盆栽のように流木に土を盛って、直接植えてみようと、新たな楽しみも生まれました。


凶神の付いた時を、『悪い事が起こる』とやたら恐れる必要はありません。
大切な事に気付くチャンスです。


凶神の時とは、謙虚さを忘れがちな人間にとって、たまには失敗して、自分を見詰め直しなさいという、神様のご配慮なんでしょうね。


恐れず、生じたことを甘受して、そこからたくさん気づきのためのメッセージを受け取りましょう。



              北千住のスピリチュアルな占い師     安 寿