安寿の小径

北千住のスピリチュアルな占い師 安寿のブログ http://anju.cho88.com/

新しい出会い

今年、長姉が軽度の認知症になり、デイケアーサービスを受けるようになった。


その事をきっかけに、老人介護に関心が深まり、知識と経験の必要性も感じて、山友会でのボランティア活動を卒業し、10月から近所の老人福祉施設で週一回のボランティア活動を開始した。


その矢先、突発性難聴になり、活動停止。一カ月たった今、やっと再開できるようになった。


祖父母とは縁が無く、父母にしても、介護らしきことを経験する事もなく二人とも旅立ってしまったので、初め少し緊張した。


もう2回ぐらいお手伝いさせていただいたが、自分自身も十分老人の範疇に入っているからか、すんなり皆さんに溶け込めて、全く違和感がなかった。


朝十時ごろ施設に行って、皆さんと一緒に洗濯物を干したり、昼ご飯を作るお手伝いをした。
ここでは、できる人はみんな昼食作りに参加することになっている。
みんなさん長年家事をなさっていたから、さすが包丁さばきも危なげない。
みんなで切った材料を、目の前で職員さんが、調理する事になっている。


大勢で頂くご飯はおいしい!
それに一人暮らしで栄養が偏りがちな私には有り難い。
いやあ、情けは人の為ならずですね、ホントって感じ。


千住生まれで千住育ちの私、それに私は末っ子で、姉たちからこの街の昔話はよく聞かされていたから、年上の皆さんの昔話にも難なくついていける。


子供のころは姉妹が多くて嫌だったけれど、今ではたくさんいる姉妹の末っ子に生まれて『ラッキー!』だと思うことが多くなった。
今回もそのことが思いがけずすごく役に立った。


姉たちと同じ小学校を出た人もいて、話が弾む。
みんな昔話が大好き。表情が活き活きしてくる。
話があちこち飛び、突然女学生になってしまう人もいて、大笑い。


無表情な方もいらっしゃるが、少女のようにコロコロと楽しそうに笑っている方もいる。
おとなしく皆さんのお話を聞いているだけの人もいるし、自分の世界に入っている人もい
る。


あと10年もすれば、私も本格的にお仲間入りする年齢だ。
その時私はどんなタイプのお年寄りになってるのだろうか。
できればニコニコ笑っている年寄りでありたいと思う。


年を取るという事は、肉体的にはあちこち故障して、少しずつ不自由になっていくが、心は逆に自由になっていくと思う。


もちろん人にもよるだろうが、見栄を張ったり、取り繕ったりすることのばかばかしさが分かってくるし、余計なものを捨て去って、自分がより自分らしく生きられるようになる。


その究極が認知症と呼ばれる病(?)の人々なのかもしれない。
彼らは最も自分自身に正直に、自由な心で生きているのではないだろうか?


ボランティア活動では、与えているつもりが、逆に多くのものをもらっていると気づく事が多い。
今回、私はいろいろなタイプの認知症の方たちと出会い始めた。
そして、今現在、少なくとも私は、認知症になるのが前ほどいやではなくなった。


世間では、認知症にだけはなりたくないと恐れられているが、そして私もそう考えていた一人だが、こんな風に認知症の人たちと接していると、認知症であることが当たり前になってしまうのだ。


認知症なんて普通だし、怖くないよという感じになってしまった。
むしろ、記憶があちこち飛ぶシュールな発想のお年寄りたちとのおしゃべりが、楽しみになっている。


とはいっても、徘徊や暴力といった行動に悩んでいるご家族はやはり大変だと思う。
が、それにはそういう行動に出る、ご本人なりの理由がちゃんとあるのだそうで、そこはやはり、信頼できる精神科のお医者様の出番だろう。


私としては、認知症になるにしても、ニコニコグループに入りたいので、なるべく否定的な感情を持たないように、今から心がけようと思っているが…。


食器の後片付けやら何やら、忙しく動き回っているうちに、一日があっという間に過ぎてしまった。


家ではこんなに働かない。狭い家だし、一人暮らしだから、家事は手抜き。
久しぶりにすごく働いた気分になって、帰り道が実にすがすがしかった。
また来週も、お手伝いさせていただこう。



        北千住のスピリチュアルな占い師     安 寿