安寿の小径

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歳にも負けず、コロナにも負けず

8月10日やっと歌の発表会が終わって、ほっとしている所です。

コロナの影響で、3月の発表会が7月に延期になり、それもまた延期で、今回やっと実現しました。

今回は家族や友人にも来ていただかずに、参加者と関係者だけの会となりました。

300人ほど入る会場の客席に人影はまばらでしたが、それでもちゃんとした舞台で歌うのは気持ちの良いものです。

ピアノの音や声が会場に響いて、なんだか上手になったような気がします。

 

お仲間の歌を聴くのも楽しみです。

誰がどんな歌を歌うのか楽しみですし、初めて聞く曲もあって勉強にもなります。

若い方の艶のある澄んだ歌声は、心の垢を洗い流してくれるようです。

 

特に今年は、85歳になられる先輩が、去年よりものびやかにきれいな声で歌っているのを拝聴して、本当に感動しました。

彼女は一昨年あたりから声帯のご病気で、その上腰の手術もされ、それでも頑張って昨年も発表会に出られたのですが、いつもの調子は出ないようでした。

今回はどうだろうかと心配していましたから、その回復ぶりには本当にびっくりいたしました。

彼女は私たちの間では一番長く練習に通っているお弟子さんで、やはり長い年月に培われた底力があるのだと感じました。

 

10人の出演者の中で音大生さんが一番若くて20歳くらいでしょうか、あとは40、50歳代の方がお一人で、そのほかは多分皆70歳代か60歳代後半です。

お元気な方もいらっしゃいますが、認知症のご家族がいらしたり、病気がちだったり、皆さんいろいろあるようですが、70歳代の方は私も含めて皆、毎年発表会に参加しています。

コロナが勢いづいている中、また皆さんと発表会でお会いできて、それだけでも本当に喜ばしい事でした。

 

皆さんお元気で、本当にお世辞ではなく、全員が去年より確実にお上手になられているのです。

まさに『継続は力なり』を実感し、とても励まされました。

 

自分の成長に関しては、点数が出るわけではないので、あまりよく分からないのです。

前よりうまく息が続いたとか、難しい部分が歌えたとか、少し声が出やすくなったとかいう程度ですから。

先生に褒めていただいたときは嬉しいのですが、80パーセントくらいが励ましじゃないかと考えて、逆に気持ちを引き締めてしまいます、

だから発表会でお仲間の歌を聴いて、上手になっているなあと感心すると、なんだか自分も成長してるようでうれしいのです。

発表会の後で、お仲間3人と食事をした時、3人とも、「みんな上手になってるよねえ」と意見が一致し、みんな心から嬉しそうだったので、きっと私と同じ気持ちだったのだと思います。

 

先生は夜空に輝く星のような憧れの対象で、手がとどきません。

しかし歌のお仲間は常に周りにいて、手の届く目標であり、よい刺激であり、希望です。

意見を言い合い、支え合い、励まし合う同志であり、時には鏡のように己の姿を客観的に見せてくれる、無くてはならぬ有難い存在です。

 

年を取って「歌う」喜びを知り、よい先生とよい仲間に恵まれ、発表会では『歌姫』気分も味わえて、老後の私はとても恵まれています。

60歳になった時、10年先の自分がこんなに幸せになるなんて、想像もしていませんでした。

 

今年の発表会は、まず85歳の先輩に力付けられ、励まされ、希望を頂いたこと、お仲間の成長と無事を喜びあえた事、歌う喜びをいつにもまして実感できた事で、忘れられない発表会になりました。

 

何度も延期になって、先生も本当に大変だったと思います。有り難う御座いました。

健康で参加できたことにも感謝です。

 

 

 

               北千住のスピリチュアルな占い師   安 寿