蒸し暑い日が続いていましたが、今日は久しぶりに昼間でも気温が25度くらい。
湿度は高く、まだ少し蒸し暑い感じは残っていますが、それでも『干天の慈雨』のようなホッとできる一日となりそうです。
東京都台東区清川にある、行場を失った方、家のない方たちのための在宅ホスピスケア施設『きぼうのいえ』からニュースレターが届ききました。(2019年号外)
『きぼうのいえ』を創設された方がキリスト教なので、礼拝堂もあるのですが、実際には亡くなった方のご希望によっては仏教のお坊さんにお経をあげていただく事もある、宗教には拘らないホスピスです。
職員の皆様はもちろん、ボランティアの方々の心のこもったお世話と、温かい愛情に包まれて、今迄で198名の方があの世に旅立たれたそうですが、今回、長野にあったお墓を、同じ清川にあるお寺さんにお引越しするそうで、そのお知らせのニュースレターを頂いたのです。
亡くなった皆様も、またなじみのある土地、優しいスタッフさんの傍に戻られて、喜ばれると思います。
そのニュースレターの中に、素敵なお話がありましたので、転載させていただきます。
「あんパンが食べたい!」Nさんの再三の希望に応えて用意した。のど詰まりが心配なので、ここはつぶあんではなくこしあんをセレクト。半分に切って差し出す。さすが100円のパン。あんこがいっぱいつまっているとはいかぬ。切り口はぽっかり空いた洞窟のよう。
Nさんはしばしその空洞の底にへばりついている白いあんこを眺め、「あぁ」とため息。さては期待外れだったか。おもむろにかぶりつくNさん。見守る私たち。一口目をゆっくりとお茶で流し込み、「あぁ」とまたため息。手にしたあんパンを見つめて何か言いたげ。
もはや、のどが詰まることよりも、あんパンの感想が気になる私たち。Nさんは唱えるようにのたもうた。「神様も~、仏様も~、この中にいる~。」
きぼうのいえニュースレター2019年号外より
『きぼうのいえ』にたどり着くまで、Nさんの人生は厳しいものだったに違いないと思いますが、今は神様、仏様に出会えて、本当によかったですね。
Nさんの食べたあんパンは、どんな高級なものより、本当に、本当に、おいしかったのだと思います。
心から感動し、感謝した時、人はそこに神様や仏様を見出す事ができます。
一生に一度でもそんな経験ができた人は、幸せです。
Nさんを失望させることが残念で、固唾をのんで見守っているスタッフさんたちの優しさが有ったればこそ、Nさんは神様、仏様と出会えたのだと思います。
Nさんの穏やかな人生をお祈りすると同時に、マザー・テレサの志を引き継いで日夜頑張っていらっしゃるスタッフの皆様のご健康とご活躍をお祈りいたします。
私も生きている限りは、ささやかな応援を今後も続けさせていただきます。
どうぞ、『きぼうのいえ』に関心を持たれた方がいらっしゃいましたら、ご支援よろしくお願い致します。
北千住のスピリチュアルな占い師 安 寿