安寿の小径

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寝たきり老人にならないために

先日、朝食の後何気なく朝日新聞を広げたら、ふとある方のお顔が目に飛び込んできました。


『ひと』というコラムの、中本博雄さんという方のお写真でした。
80歳だというのにつややかなお顔で、活き活きとして、とても幸せそうに輝いているのです。
どんな方なのか、さっそく記事を読んでみると、若い頃、貧しくて行くことができなかった九州大学に、なんと5億円も寄付をなさった方だったのです。
「無駄なお金を使うなら、人にあげた方が生きる。財産ゼロという死に方をしたい」とおっしゃっているそうで、寄付したお金は奨学金として役立っているとのこと。


独学で勉強し、今のコピー機の元祖の一つである複写装置を開発し、米国でも日本でも特許を得たのに、無欲な中本さんは特許料をもらっていないのだそうです。
それでも1987年に製図や印刷の会社を創業して、2004年に経営から離れ、奥様と福岡市郊外にお住まいとか。
愛車は軽、ご自宅も築45年で、きっと心身ともに贅肉とは無縁な健康的な毎日を過ごされているのじゃないかと拝察いたします。


お金があるから寄付ができるわけではありません。
いくらお金が有っても、自分や自分の身内にしか使えない心の貧者はたくさんいます。


30億円女性に貢いで、覚せい剤で亡くなった「ドンファン」と呼ばれた男性を思い出しました。
あの人は、77歳か78歳位だったと思いますが、中本さんと比べると生気がなく、ずっとお年寄りに見えました。


彼も若い時に苦労をしたようですが、財を成した後、その財を主に自分のために使ったのでしょうね。
その結果、彼は案外孤独だったのではないでしょうか。


5億円寄付をなさった方は、急にそうしたのではなく、自分の貧しかった時の苦労を忘れず、常に世の中の弱者に目を配り、機会あるごとに彼らを支える活動をなさってきたことが、5億円の寄付になったのだと思います。


きっと中本さんは、貧しい生活も、恵まれた生活も両方ご経験なさって、人生の喜びが、物質や財にあるのではなく、人を育てる喜び、支える喜び、人の役に立つ喜びにあるのだと気付かれた方なのに違いありません。


中本さんの奥様もご主人の考え方に賛同し、それに協力されてきたのですから、ご夫婦そろって、心の豊かな方なのだと思います。


お金の使い方はそれぞれ自由で、「ドンファン」さんの生き方を否定するものではありませんが、私には、中本さんの方が幸せに見えます。


最近の調査では、人が寝たきりにならないためには、運動だけではだめなんだそうですね。
趣味を持ったり、お友達とおしゃべりしたり、人との交流がとても大切なのだそうです。
そして最も有力なのは『人に親切にすること』なのだそうです。


良い種を蒔けば、良い結果が実る。
これはスピリチュアリズムの法則ですが、それが科学的にも認められたようで嬉しい気がします。


始めは、「良い結果を得るために親切にする」ポイント稼ぎのような『親切』でもいいのです。
だんだん結果を気にせず、親切にすること自体に喜びを感じるようになりますから。
親切な人が周りに増えたら、たとえ物質的には貧しくとも、どんなに明るく生きやすい世の中になるでしょう。


経済的には中間層が減少し貧富の二極化が進んでおり、政治的には無責任や明らかな嘘が横行している今の日本を見るとうんざりしますが、それでもほんのわずかでも、確実に人間は精神的に進歩しているのだなあと感じます。


人と人のつながりが希薄になりつつある今、まだ庶民が支え合い、助け合って生きてきた時代の記憶を持っている我々老人世代が、今こそ親切心を発揮して、人と人のつながりの温かさを若い人たちに体験させて、そして自らも、寝たきり老人予防に役立てれば、まさに一石二鳥です。


まずは「親切は人のためならず」をいろいろな人に伝えて、親切な人を増やしていきましょう。
そして自分自身も寝たきり老人にならないように、気合を入れて、人にはできるだけ親切にやさしく接する努力を続けます。




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