安寿の小径

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ミュシャ『スラブ叙事詩』  平和への祈り

まだ5月だというのに、真夏のような日が続いています。
2階の室温は日中30度を超えるため、エアコンをつけています。


年を取ってから、夏の暑さがすごく苦手になってきました。
汗かきなので水をよく飲むのですが、冷たい水は避けて、常温の水を飲むのに、それでも飲みすぎると胃腸の調子が悪くなります。
かといって、運動量が減るせいなのか、痩せないのが悲しいところ。


やっと元気になって来た老猫クロちゃんも、昼間はぐったりで、吐く事が多くなってきました。
クロは去年の9月ごろ、暑さ負けなのか、死にそうになったので、なおさら夏を迎えるのが憂うつです。


まだ過ごしやすかった先日、ミュシャ展に行き、ミュシャの晩年の作品『スラヴ叙事詩』を中心とした作品を見て来ました。


ミュシャと言えば、花々に囲まれた美しい女性のポスター画が有名で、私はミュシャについてその程度の知識しかなくて、新聞屋さんからチケットをもらったので、ロマンチックな夢の世界にひたるつもりでミュシャ展を見に行ったのです。


会場に入った途端、ロマンチックな雰囲気とは程遠い、静かだけどなぜか衝撃的な大きな絵(高さ6メートル、幅8メートル)に圧倒されました。


『原故郷のスラヴ民族』と題されたその絵は、戦火から逃れてきたのでしょうか、草むらに身を隠している男女、恐怖のためか見開かれた女性の眼が、その絵を見ている私を敵か味方か見極めようとでもするように、脅えつつじっと見ているのです。
「もしあなたが敵なら、どうか私たちを見逃してください」と見ている私に、無言で必死に慈悲を請うているような真剣なまなざしです。


この女性はどうしたのだろう、これは解説を聞かなければわからないと思い、入り口に取って返し、音声ガイドを借りて鑑賞する事にしました。


『スラヴ叙事詩』とは、ミュシャがパリで誰もがよく知る画風で名声を博した後、50歳の時彼の生まれ故郷チェコに帰り、人口3千人の小さな村ズビロフにある城に16年間こもって、3世紀から20世紀までのチェコの歴史的出来事を20枚の大きな絵に描き上げたものだそうです。


陸続きのヨーロッパの国々は、戦争が絶えず、ミュシャの故郷のチェコもフランスやドイツ、ハンガリーやトルコなどに絶えず侵略され、その間に宗教戦争もあり、戦火の絶えない国でした。


『スラヴ叙事詩』にもそうした戦争の場面が多く描かれているのですが、血が流れるような生々しさや残酷さはなく、負けた戦いも、勝った戦いも、強い悲しみや、怒りや、勝利の喜びもなく、神の眼に映る世界の様に、ただ静かな透き通った悲しみに満ちているのです。


祭りの絵や、戴冠式など、喜びの絵もあるのですが、どの絵にも生々しい感情の表現は感じられません。
神があの世から人間世界の出来事を見ていらっしゃるように、透明な光を通して、淡々と描かれているのです。


それなのに、戦争の絵など、じっとこちらを見つめる女性の眼や、地面に転がっている生活道具、亡くなった赤ん坊を抱いた若い母親の、眼だけ光っている暗い顔など、見ている者が切なくなる程のリアルさでギュッと心を掴まれるのです。
とても不思議な絵です。


『戦争は誰も幸せにしない。』そういうメッセージが静かに心に沁みて来るような絵です。
作者のミュシャは、平和を何よりも愛していたのだと思います。
1939年、ナチスチェコに侵入し、この平和を愛する画家は、危険な愛国者としてゲシュタポに捕えられ、それがもとで健康を害し、78歳で亡くなりました。


わが国では今、憲法9条を変える動きが出てきています。
戦前、特高警察なるものが、政府の方針に反対する者を、宗教家だろうが戦争反対の考えを持つ普通の一般市民だろうが、片端から捕まえて投獄したり、拷問したりしていましたが、それを可能にしていたのが、悪名高い治安維持法です。
その悪夢を思いださせるような共謀罪テロ等準備罪が可決されようとしています。


政府は正しい運用をするから一般市民は関係ないなどと言っていますが、正しいかどうかを判断するのが時の権力者だから心配なのです。
今だって沖縄では、基地建設反対運動のリーダー的な人が逮捕され、長期間拘留され、裁判に掛けられています。
逮捕しようと思ったら、どんな理由だってでっち上げられてしまうのです。
逮捕され、拘留されただけで、一般サラリーマンなら失職しかねません。
マンション建設反対だって、そのマンションが政治権力者の持ち物だったら、反対運動が危なくなることだって起こりうるのです。
また権力者側が犯罪を犯して、それを告発しようとしたら、逆に逮捕されたなんてことも起こるかもしれません。
一般市民の人権が抑圧されれば、国家権力暴走の歯止めが利かなくなります。


森友学園加計学園の出来事を見れば、どれほど権力者が力を持っているか、わかるでしょう。
どんなに否定したって、政治的権力が働かなければ、権力と無縁な一般市民が官僚に特別待遇を計ってもらえる事なんてあり得ないことは、国民全員が知っていることです。
それでもうやむやにしようとしているのですから、国民をなめきっていますよね。


北朝鮮のミサイル問題を利用して国民の恐怖心を煽り、憲法を変え、日本に軍隊を作ろうとしているようですが、軍隊を作ったところで、ミサイルが原発めがけて飛んできたら、日本はお仕舞です。


それよりも、災害の多い日本の国の自衛隊を、災害救助のスペシャリストとして強化し、自国だけではなく、全世界の災害時に派遣し、世界平和に貢献した方が、日本の国のカルマを浄化することになり、子々孫々この国の安泰が約束されると思います。


物質的に多少不自由はしても、危険な原発を無くし、日本がどこの国とも軍事同盟を結ばない永世中立国となって、世界平和の為に活躍する平和国家になってほしいと、心から願わずにはいられません。




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