安寿の小径

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愛犬の新盆

姉が12年間可愛がってきたフレンチブルドッグの愛犬『ムーちゃん』が、今年の4月初めに亡くなりました。


ムーちゃんは昨年の暮れあたりから病気で、何度か入退院を繰り返していたのです。
ムーちゃんを溺愛していた姉は、それまで勤めていた仕事もやめて、付き切りで看病していました。
いつも姉妹全員揃って行くお彼岸の墓参りも、ムーちゃんの容体が悪いので来なかったほどです。


4月初めのある日、深夜まで付き添っていた姉が家に帰り、翌朝病院に行った時には、ムーちゃんはすでに亡くなっていました。


死に目に会えなかったことを姉はずっと悔やんでいました。
姉妹の中でも一番賑やかで元気な姉が、ペットロス症候群のようで、ずっと元気がありませんでした。


ただ一つの救いは、姉に抱かれたムーちゃんの遺影を見ている時、すごく温かい感じがして、ムーちゃんをギュッと抱きしめているような気がしていたのだそうです。


7月11日、お盆の入りの2日前の夜八時半ごろの事。
今年のお盆はムーちゃんの新盆です。
姉はそんなことを思いながら、いつもムーちゃんの座っていた場所を、見るともなくぼんやり見ていると、なんだか白いモヤの様なものが見えてきたのだそうです。


「あれ、何だろう?」と更にじっと見ていると、次第に輪郭がはっきりしてきて、眼鼻のあたりが黒く見えてきて、だんだん犬の格好になってくるではありませんか。
ムーちゃんは白地に黒の模様でしたが、そのワンちゃんは全体がセピア色がっかっていたそうです。


でも姉は「ムーちゃん?ムーちゃんだ!」と叫んで駆け寄ると、そのワンちゃんはムーちゃんが喜んだときそっくりの、いやその時以上の喜びようで、耳をパタパタさせ、体をクネクネくねらせて、大喜びしたそうです。


全体が電気の光のように白く輝き、耳をパタパタさせるたびに、耳のあたりがキラキラ光ったそうです。
姉が触ると、物を触った時の様な感じはありませんでしたが、温かかったそうです。
姉は泣きながらムーちゃんをなでてやり、急いで同居している息子を呼んだのです。


しかし、二階から駆け下りてきた息子には、ムーちゃんは見えませんでした。
「ほら、そこにいるじゃない。いつもムーちゃんがいたとこに。」と姉が指さし説明するのですが、息子には見えなかったのです。
撫でてもらって満足したのか、ムーちゃんはその場所にまったりと寝そべっているのですが、息子には見えず、姉にしか見えません。
そこで息子がスマホで写真を撮ったのです。
何枚か撮った内の二枚に、はっきりとムーちゃんが映っていました。


息子に気を取られ、はっと気づいた時にはムーちゃんの姿は消えていました。
白いモヤが現れてから形になるまで1,2分かかり、はっきりしてから消えるまで、5分くらいだったとか。


ほんの短い時間でしたが、姉は言葉では言い表せない沢山のものをムーちゃんからもらったそうです。


お盆の墓参りに行った時に、姉にその写真を見せてもらいました。
かなりはっきり撮れていて、一枚は顔だけ。私はムーちゃんの顔はよく覚えていなかったのですが、どう見てもフレンチブルドックの顔です。
もう一枚は、きちんとお座りした全身像で、前足が二本、しっかり映っていました。


私は生まれて初めて心霊写真なるものを見たわけです。
しかも動物です。
姉は生まれて初めて幽霊を見たと言ってました。
「あの世ってあるのねぇ」と感慨深げでした。
「ちっとも恐くない。また会いたい」と言ってましたが、どうやら死に目に会えなかったお互いの悲しみを癒しに来たムーちゃん、ちゃんと成仏できたようで、あの時以来出てこないそうです。
また、遺影を見て温かく感ずることもなくなったそうです。


姉も、ムーちゃんに癒されたのか、元の元気な姉に戻っていて、私たち姉妹も安心しました。


幽霊になるのって、なかなか大変らしいのです。
適した磁場と、想いの強さと、集中力が必要なのだそうです。


人間だってなかなか大変なのに、ムーちゃんはすごいです。
悲しみに暮れる姉を元気づけようと、想いを集中して、あの世からこの世に降りて来てくれたんですね。


愛に動物も人間もないのですね。
そしてまさに『愛は死をも超える』です。


本当に心温まるお盆にぴったりの姉の体験でした。




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