安寿の小径

北千住のスピリチュアルな占い師 安寿のブログ http://anju.cho88.com/

春陰

昨日の強風で、満開の桜もほとんど吹き散らされてしまったのかと半ばあきらめて、近所の桜並木に行ってみると、全体的にまだ6,7割がた花が残っていました。
あの強風にも負けず頑張ってくれた桜の花たちの強さに驚き、花たちに感謝しながらのお花見になりまた。


はかなげに見えても、咲いてから一定期間、花はその使命を全うするために、嵐にも負けない生命の強さを持ち続けるのですね。
この世の命あるもの、全てがみな懸命に生きているのです。
人間だけが暑いの寒いの苦しいのと、文句たらたら生きているのかもしれません。


桜の小さい花はうっすらと光を通し、だからはかなげで、それなのに健気に身を寄せ合って風にも負けずひたむきに頑張って咲き誇り、時が来るとあっさりと風に身をゆだねて散ってゆきます。
潔いものです。


日本人は昔から桜の小さな花の健気さ、ひたむきさ、はかなさ、散り際の美しさ、潔さを愛してきました。
そしてそれがあの戦争の時代には、命を国に捧げ、潔く散れと軍国主義に利用されたのです。
なんと多くの若い健気な命が、咲き誇る前に手折られ、むしられていったことでしょうか。


最近の世の中、この国がどんどんあの戦争の時代の方に押し流されてゆくような不安を感じていたせいで、桜の花から悲しい連想をしてしまいました。


戦争という大きな犠牲を払って、手に入れた主権在民
手に入れた民主主義を実現しようと幾多の働く人々が戦後、あっちでもこっちでも粘り強く戦い、勝ち取ってきた働く者の権利。
その権利が、今、散る花びらのように、一枚、また一枚と奪われていっているように思われてなりません。


軍人も民間人も大きな犠牲をはらい、二度と戦争はごめんだと戦争放棄をしたはずなのに、自国の防衛の為にという苦しい言い訳のもとに自衛隊が海外活動を行うというのです。


米軍の後方支援だと言っても、敵国から見れば、米軍の仲間。攻撃されないはずがありません。そうなったら自国の防衛の為にとますます自衛隊は戦争へとのめり込んでいくに違いありません。
戦争の始まりはいつもささいなこと。でも終戦は難しく、戦う双方に莫大な犠牲が生じます。
戦いが一度始まったらどんどん広がって行き、歯止めが効かなくなることは、現在のアフリカや中東地域を見れば明らかでしょう。


もう一つ若者たちにとって恐ろしいのが残業代ゼロ法案。今は年収制限や職種の制限があるように見えますが、経団連は年収400万円以上の人にも残業代ゼロを求めているそうで、営業職や管理職など、いずれは多くの労働者に拡大されるのではないかと懸念されます。


土日以外は無制限に働かせ、残業の割増賃金どころか、残業代そのものが無くなります。
残業代無しの長時間労働が、当たり前だった時代に逆戻りです。
しかも、会社とトラブルになった場合、会社はお金で簡単に首切りできるようにもなります。
一部の心ある企業を除いて、日本の企業全体のブラック企業化が進むのではないかと心配です。


今や3人に1人が非正規雇用で、それが改善されるどころか、下手をすれば一生非正規雇用状態になってしまう動きがあります。
特に女性は、現在6割近くが非正規雇用で、これが母子家庭の貧困化、子供の貧困化にもつながっています。
現在、子供の貧困化は16パーセントにまで上昇し、深刻化しています。


正規雇用労働者は低賃金で使い捨てられ、正規社員も長時間労働、低賃金で使いつぶされる世の中になりつつあります。


労働者の過半数が低賃金であれば年金や健康保険制度、税収にも影響し、社会保障制度の崩壊を懸念する声もあります。


老人は年金の物価スライドが物価上昇率より低く抑えられ、介護保険料、健康保険料はアップして、一部富裕な老人を除いて、ほとんどの老人は年金で入れる老人ホームが見つけられないか、あってもすごい競争率となり、介護の負担が子供たちに重くのしかかってきます。


特別養護老人ホームは要介護3レベル以上でしか入れなくなり、その上入所待ちの人々がひしめき合っており、よほどの幸運でなければ入れなくなるでしょう。


実質賃金は物価上昇に追いつかず、22か月連続減少しており、一般庶民の暮らしは厳しさを増しています。
こんな状態なのに、更に消費税を上げるというのです。


また、沖縄県地方自治自治権の侵害問題が有ります。
安倍首相は県知事と話し合う姿勢すら見せません。
菅さんがやっと沖縄に行きましたが、話し合いましたと言うポーズだけでは困ります。


今朝の朝日新聞の投書欄にありましたが、日本の国土面積のわずか0.6パーセントの沖縄県に、在日米軍専用施設の74パーセントが置かれていて、沖縄県の負担割合は本土の約500倍だそうです。
それなのに、辺野古の自然を破壊しても、なお政府は沖縄に基地を押し付けようとしているのです。
沖縄県民の怒りは当然です。


この問題はけっして沖縄県だけの問題ではありません。国の地方自治権への侵害なのです。
沖縄の問題に私たちが知らん顔したら、何かで国と対立した時は、国はそこの住民たちを力でねじ伏せて言う事を聞かせようとするようになるのです。
民主主義や地方自治にとって、非常に深刻な問題です。


私のようなものが新聞を普通に読んだだけで、安倍政権に対しこれだけの不安と不満を覚えるのです。
今の安倍政権はどう見ても民主主義を軽んじ、庶民の暮らしを犠牲にして、大企業や金持ちに都合のいい政治を行っているとしか思えません。


国民の大多数である一般庶民に元気がなくなったら、その国は力を失います。発展できません。
特に若い人たちが希望を持って仕事をし、結婚し、家庭を築き子育てができる世の中にしなくては日本の弱体化は避けられないでしょう。


今度、統一地方選挙があります。地方選挙とは言え、その選挙結果を安倍政権は無視できないはずです。


選挙は一市民が政治に自分の考えを反映させることができる唯一のチャンスです。
どうか棄権しないで、よく考えてそれぞれの権利を行使してください。
それが民主主義の根本を支えるのです。
棄権は白紙委任と同じで為政者を喜ばせるだけですから。



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