安寿の小径

北千住のスピリチュアルな占い師 安寿のブログ http://anju.cho88.com/

陰極まれば陽となる

陰とか陽という言葉は皆様ご存じだと思いますが、明暗、静動、白黒など物事の対極を表す言葉です。


陽は、『陽気な人』などという言葉があるように、明るい、天、元気、活発、強い、積極的、表、男性性など物事の動的な面を表し、陰は『陰気な人』などと使われているように、暗い、地、静か、不動、裏、休息、消極的、女性性など物事の静的な面を表します。


陰陽説というのは、物事を全て陰陽に分ける考え方ですが、面白いのは、太陽だから陽、月だから陰と決めつけていない点です。
陰陽はあくまでも相対的なものであり、全てのものの中には陰陽の両極が含まれているとする考え方です。


例えば、昼の太陽は陽ですが、沈みゆく太陽、夜の太陽は陰となります。
男性は社会的には陽ですが、家にいる時は陰と考えます。
電気も、点いている時は陽ですが、消せば陰になります。


占いの看板でよく見かける、円の中に手足のないオタマジャクシのような形、巴形というか、勾玉のような形の白と黒が組み合わさっている、あれが陰陽のシンボルマークで太極(たいきょく)といい、万物の根元を象徴しています。


白は陽の気を表し、黒は陰の気を表します。
あの、円の中の、白と黒のオタマジャクシをよく見ると、ちょうどオタマジャクシの目の位置に、白の中には黒い点が、黒の中には白い点があるのに気づかれると思います。
それが陰の中に陽が有り、陽の中に陰が有る事を表しているのです。


また『陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる』という言葉が有りますが、陽の気が強くなり、これ以上強くなれないとなるとそこから陰が萌し始め、その陰がだんだん強くなり、極まると、そこからまた陽の気が萌し始める、物事はそのように、陰陽、陰陽と循環していくのだという考え方なのです。


だからシンボルマークの白も黒もお互いの尻尾と頭が組み合わさって円になっているんですね。


陰陽説では、精神世界は陽で、物質世界、現実世界は陰となります。


今の時代はどこの国も陰の気が強まっていますが、特に経済成長の伸びが著しいお隣り中国では、経済の成長とともに物質主義、拝金主義が強まり、最近ではその行き過ぎに気付いた人々の間に、その反動として、宗教や儒教が広がり始めているのだそうです。


まさに陰の気が極まり陽の気に転じたかのような感が有りますね。


マルクス・エンゲルス共産主義思想では、『宗教はアヘンだ』とされ、否定されていますし、中国では、文化大革命儒教思想や宗教などが徹底的に弾圧されたのですが、今の中国政府は国民の政治にたいする不満を逸らせるために、宗教や儒教を求める人々を黙認しているのだとか。


確かに、そういう面もあるとは思いますが、それでも、中国の人たちが精神世界に目を向け始めたことを私はうれしく思います。


宗教がアヘンになってはいけませんし、オカルト教団のように、教祖を妄信するのも危険です。
また、この神を信じれば健康になれるだとかの、ご利益を得るための「信仰」も間違いです。


宗教とは本来、一人ひとりが神の教えに従って生きることをめざすものですが、宗教団体となると、神の教えそのものが教祖や組織によって歪められてしまいがちです。
教祖を妄信したり、歪んだ教義を妄信したり。


どんな立派な人でも、人間である以上間違うことがあります。
だから、人を尊敬はしても、妄信するのは危険です。


この世に全陰、全陽は存在しません。
人間はみな陰陽併せ持つ不完全な存在です。
その不完全な人間が作った教義や組織もまた不完全なものなのです。


神と繋がるには、教会や宗教団体はいりません。
それぞれが自分自身の内なる神と繋がればいいのですから。
一人ひとりの霊性が高まって行けば、これからの宗教は、どんどんそんな風になっていくでしょう。


神の原則は、隣人を愛すること、蒔いた種は必ず刈り取らねばならない事、それだけです。


日々そのことを基準に判断し行動すれば、間違いはありません。
迷った時は、祈り、自己の内なる神の指示を待つことです。
我欲のメガネをはずせば、答えは必ず得られます。


自分の内なる神を信じ、もっともっと友人に話すように語りかけましょう。
そうすればするほど、内なる神を感じられるようになり、信じる気持ちも強まっていきます。


原則は単純でも、それを実践することはとても難しいのです。
隣人を愛することは至難の業で、日々自分との戦いです。
でも、少しでも実践できたら、とても心が満たされます。
だから、次はもっと頑張りたくなるのです。


テレビ番組の中で、儒教の老師の話を、感動の涙を流しながら聞いていた中国の人々が、話を聞いた後、タダで配られるCDを我先に奪い合っている姿を見て、ちょっとがっかりしましたが、しかし、仕方ないのです。
知識を実践に移すまでには時間がかかるのですから。
まず知識を得ることが、霊性進化への第一歩です。
その第一歩を歩み始めた隣国の人々にエールを送りましょう。


物質世界に生きる私たち、なかなか我欲を捨てられません。
でもそれでもいいのです。
陰が有るから陽が分かり、陽が有るから陰が分かるのですから。


神は私たちに完璧を求めているのではありません。
神は神の分身である私たちに、陰の世界であるこの物質世界を生きる事によって、自分自身の内なる神に出会うように求めていらっしゃるだけなのです。


利己心を忘れ、人の為に何かできた時、人は内なる神に出会います。
貧しき人、苦難の人生を歩んでいる人ほど、内なる神に出会いやすいとイエス様はおっしゃっています。




        北千住のスピリチュアルな占い師   安 寿