今年81歳になる一人暮らしの長姉に安否確認の電話をした。
何か変わったことがないかどうか尋ねたら、デイケアーに行かされそうになっていると訴えてきた。
「家の中はぴかぴかだし、食事もちゃんと作っているし、そんなところへ行かされるなんて」と、娘に対する不満を話し始めた。
姉は認知症が始まっていて、片道2時間もかかる所に住んでいる姪がたびたび通って面倒を見ているのだ。
姉はしっかり者で、身体の弱かった母の片腕として、6人の妹たちの面倒を実によく見てくれた。私たちのセーターも洋服も、オーバーまで、みんな姉の手作りだった。
銀座にオフィスのある大企業に勤めていた姉は、料理上手で、おしゃれで、素敵だった。
当時珍しいお菓子やチョコレートなどをよくお土産に買って来てくれたものだった。
自立心が強く、なんでも人一倍ちゃんとやってきたしっかり者の人間ほど、年を取ると、年寄り扱いされたり、お世話されるのを嫌うものなのだろう。
分かる気がする。
軽い認知症だし、目の病気で視力も落ちてきているし、最近は出歩くことも少なくなって、引きこもりがちなのを家族は心配しているのだ。
本当は一人暮らしはかなり大変だと思うが、本人は今住んでいる家を離れたくないのだという。
だから姪がデイケアーサービスを試してみるよう勧めたのだと思うが、本人はご立腹。
一通り姉の不満を聞いている時に閃いた。
「お姉さん、自分がサービスされることばかり考えるんじゃなくて、自分より介護が必要な人のお手伝いをしに行くと思えばいいんじゃないの?お姉さんはピアノが弾けるんだから、ピアノやオルガンが有ったら、みんなに弾いてあげればいいじゃない。ボランティアに行くつもりで、行ってみたら?」
そう私が言ったら、姉は声のトーンまで明るくなって、
「そうねぇ。そうよねぇ。行ってみようかしら。気持ちが軽くなったわ。有難う!」
という事になった。
実際に行ったらどういう事をまた言い出すか分からないが、なんとか誇り高い姉の自尊心を傷つけぬように事を進めなくてはならない。
姉が老いていくのを見るのは、親の時とはまた違った寂しさがある。
何となく直視したくなくて、電話だけで、姉の所に足を運んでいなかったのだが、姉に恩返しをする時がやって来たようだ。
週に一度くらいは姉を見舞い、感謝の気持ちを伝えてこなければと思う。
今生で姉妹として過ごせるのは、あと何年でもないのだもの。
にぎやかだった姉たちが一人一人お嫁に行き、末っ子の私はその度に、すごくさびしかった。
年の順から言えば、末っ子の私がまたみんなを見送ることになる。
それが私の役目なのだろう。
残された時間を姉たちと共に少しでも楽しもうと思う。
6月8日のブログにご紹介した知人のヒーラーに許可を頂いたので、彼女のお名前と電話番号をご紹介します。興味のある方は、直接彼女にお電話してください。
中村 みえ子さん 090−8088−5505
北千住のスピリチュアルな占い師 安 寿