安寿の小径

北千住のスピリチュアルな占い師 安寿のブログ http://anju.cho88.com/

『ウォールデン 森の生活』を読んで

ターシャ・チューダーさんも影響を受けたという、19世紀のアメリカの思想家であり、博物学者であり、詩人でもあるヘンリー・D・ソローの『ウォールデン 森の生活』を読んだ。

彼が27歳から2年間、マサチューセッツ州コンコードの、人里はなれたウォールデン池の傍に、自分で家を建て自給自足、大自然以外、何者にも束縛されない、真に自由な生活を送った記録である。

精神の豊かさを一番大切にし、そのために労働も衣食住も全て必要最低限にする生活。自然を享受し、そこから学び、気付き、深く考え発見するすばらしい日々。
ナチュラリスト必読の書だそうで、映画にもなったようだし、ご存知の方も多いと思うが、私は60歳にして初めて読むチャンスに恵まれた。
人との出会いもそうだが、本との出合いも必要な時、必要なものと出会える。この時期この本と出会った事に、偶然以上のものを感じ、出会わせてくれた大いなるものに深く感謝したい。

ヘンリーの森の生活こそが、「霊主体従」のまさにスピリチュアルな生活そのものである。

あまりにも物質に恵まれ、自然から遠い生活をしている現代、スピリチュアリズムを説く人は多いが、それを実践できる人は少ない。修行として実践している方々も多いだろうが、彼ほど心からそういう生活を愛せる人、禁欲的な無理をせず、自然な喜びを持って森の生活を楽しめる人は稀有だと思う。(そう思うのは、都会しか知らない私の一方的な思いで、実際には大自然を愛する「ヘンリーさん」はたくさんいるかもしれないし、是非そうあって欲しい。)


私は当時の彼の2倍も年をとってやっと「霊主体従」の生活に入り始めたばかりだというのに、彼は弱冠27,8歳ですでにその大切さに気付き、現世的な欲を離れ、大自然の中に入り、その中から多くの真理を引き出し、学び取っている。脱帽するしかない。

「霊主体従」と分かってはいても、ついつい物欲に振り回され、精神の自由を見失いがちだった私に、「喝」を入れてくれた本である。